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中学校の教科書に「私のタンポポ研究」が掲載されました

教科書への作品掲載のお知らせです。 このたび、2021年4月から使用されている、 中学校の国語の教科書 『 新しい国語1 』 (東京書籍)に 私の作品『 私のタンポポ研究 』 が掲載されています。 詳しいことは出版社の紹介サイト →  こちら をご覧ください。 中学生のみなさんに作品を楽しんでいただけたら幸いです。 そして、タンポポや生き物、自然環境などへの関心を深める きっかけとしてお役に立つようなら、著者としてとても嬉しいです。 この作品は『わたしのタンポポ研究』(さ・え・ら書房)を 元にして 書き下ろしたものです。 『 わたしのタンポポ研究 』も、 よろしければ、お手にとってご覧ください。        

オオイヌノフグリ



オオイヌノフグリです。どうしてもうまく撮影できないでいます‥

2月下旬あたりから、小さな青い花が目立つようになりますよね。春を先取りしたように。ちなみに、都市でも地方でも、日本中どこででも見かけるような、ヨーロッパ原産の外来植物です。

小さい花ですが、なぜか惹きつけられます。その興味深い性質をいくつかみてみましょう。

この写真で分かるでしょうか? 雄しべ2、雌しべ1です。擬人的な表現ですが、日中はアブなどの昆虫を待っています。昆虫が来れば、他の花の花粉による受粉が成功する確率が高くなります。

どのようにして受粉するでしょうか。一般的には次のように解釈されています。オオイヌノフグリの蜜を吸いにやってきたアブなどは、この小さい花に留まろうとしますが、何しろ小さい花なので、植物ごとグラグラしてしまいます。アブは振り落とされまいと必死に捕まるそうです。すると、雄しべにある花粉がアブの体にびっしりとくっつきます。そのアブが、別のオオイヌノフグリに移動して同じことをすると、受粉が成立するようです。

もしもですが、待てど暮らせどアブなどの昆虫が来なかったとしたら。春先ですから、昆虫もまだ少ないかもしれないですよね。そのような時には、花が閉じる際に、自分の雄しべが自分の雌しべにくっつくそうです。このような受粉のタイプを自家受粉といいます。

昆虫が来れば他家受粉、来なければ自家受粉。一面にオオイヌノフグリが咲いているのを見かけますが、その理由のひとつがこの繁殖の仕方によるものかもしれませんね。

ところで、じっと観察すると、花弁が4枚に見えます。しかし、実は根元でつながっている、合弁花なのです。意外と言えば意外。それから、正面から見ると、左右対称になっているのも、味わい深いです。